この時期、何でも美味しいですよね、芋とか栗とか。
カンパーニュも例外なく、一年で一番この時期が美味しいと思います。
いつも同じ様な味にするのが職人の職務なのかもしれませんが、
自然な酵母を相手にしたパン屋としては、その時その時の季節や気候と
仲良く付き合ってその時の特徴が出たパン、というものにも興味があります。下手すると言い訳のようになってしまいますが、本来、自然界にあるものの姿はそういったものだったんじゃないかなとも思うのです。
その季節が旬じゃないものを美味しく食べれることって、ちょっと考えてみると色々な無理が生じているだろうなと思います。
考えすぎかもしれませんが。
話は変わりますが、
関西ではかっこいい男の人やその行動を「男前」と言いますよね。
決して「イケメン」ではなく。
初めて聞いたとき、古風でサラッとしてて「いいなぁ」と思いました。
見た目だけではなく、その立ち振る舞いや行動に対しても
その賛辞は有効な所もイイ。
カンパーニュはまさしく「男前」だと思います。
古風な出で立ちで、サラッと主張しすぎるでもなく、
あくまでワインやチーズを盛り立てる名助演。
それでもってその存在感は消える事がない。
静かで、そんでもって忘れられない、小津安二郎監督の作品に出てくる
笠智衆のようなカンパーニュでありたい、そう思ったのでした。