「ジョン・ケージっぽい」なんてあり得ない

その昔、即興音楽なるもののワークショップに参加したことがある。恥ずかしながら。
当時興味があったからね。
参加者各々好きな楽器(もしくはそれに準ずる、音の出るもの)を持ってくるというのが条件。
僕はなーんも考えずにギターを持っていった。
そしてちゃんとした楽器を持ってきたのは僕だけだった。
「これは何かまずいな・・・」
そう思った。
そしてワークショップが始まった。
即興音楽だからみんな思い思いに音を鳴らすわけだけど、
お茶碗とか空き缶とか鳴らしてる中にギター持ってるのが段々恥ずかしくなってきた僕はだんまりだった。
チンチン、カンカン、ピーピー・・・
僕はずっと畳の目を指でなぞっていた。
一音も鳴らさぬままワークショップは終盤にさしかかった。
そこでワークショップの主が
「キミ、何でもいいんだよ。やってみなよ」

まずいなぁ・・・
血迷った僕はブルーズ・コードをかきならした。
その瞬間、場が凍ったのがよく分かった。
参加者全員の冷めた目を忘れられない。
メロディをやったらアカン、という暗黙の了解を無視した者に対するまなざしは驚くほど冷たかった。

ワークショップ後には
「キミは即興音楽ってのを全然わかってない」のお墨付き。トホホ・・・

まぁ、それでも反省しない僕はこう思っている。
「あの場でいちばんオレがそれっぽくない」

「それっぽい」のは見当外れよりよっぽど性質が悪いと思っている。
即興音楽の話に戻れば、とりあえず何か叩いたり、音を出せばそれっぽく聞こえたりするからね。
それってどんどん本質から逸れていくし、どこにもたどり着かない。

「それっぽくない」ものって風当たり強いから敬遠されがちだけど、そこにこそ突破口はある。と思っている。

常に「じゃあ翻って自分自身はどうだろう?」というあくまでポジティヴな自問自答を各々持てる社会が日本の未来を支えていくと思う。
そんな自問自答イベントになればいいな、と思います。↓ 詳しくはpazar bazar のHP 見てみてください。

One Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です